セメント
あらゆる場面で活躍するセメント。
セメントはコンクリートの主要原料のひとつ。英語で「接着剤」「硬化剤」「結合」などの意味があるとおり、水と化学反応を起こして凝結・硬化する性質を有した粉体で、コンクリートを形成する様々な原料の接着剤の役割を担っています。このセメントをメーカーから仕入れ、生コン工場、コンクリート二次製品工場や、建設会社へ販売しております。
セメントはこうしてできている。
いろいろなセメント
セメントは、大きく分けて「ポルトランドセメント(普通セメント)」「混合セメント」「特殊セメント」の3タイプ。各タイプに数種類ずつさらにバリエーションがあります。いずれも日本産業規格(JIS)で品質が規定されています。
普通ポルトランドセメント
土木・建築構造物の建設用として、全国どこでも入手できるもっとも汎用性の高いセメントです。袋物の入手も容易なことから、小規模工事や左官用モルタルとしても使われています。国内で使用されるセメントの約70%がポルトランドセメントです。
主な用途:幅広い分野の工事で使用
早強ポルトランドセメント
水と接触する面積を多くするためにセメント粒子を細かく砕いて、短期間で高い強度を発現するようにしたセメントです。普通ポルトランドセメントが3日で発揮する強さを1日で発揮。型枠の脱型を早めるため、早く強度がほしいときに使用されます。
主な用途:緊急工事、寒冷期工事など
混合セメント(高炉セメント)
製鉄所から出る高炉スラグの微粉末を混合したセメントです。長期強度の増進が大きく、耐海水性や化学抵抗性に優れています。「ゆっくり固まる」セメントであるため、とくに初期の養生を入念に行う必要があります。
主な用途:ダム、港湾などの大型土木工事など
地盤改良材
軟弱地盤を改良し、構造物設置を可能にする程度の強度を確保するために土に混合して使用します。セメント系のものや、石灰系のもの等いろいろなものがありますが、表層改良工法や、深礎改良工法等いろいろな工事と組合せて使用されます。当社では「地盤改良材」として販売しております。
セメント系建材
建築・土木工事への材料提供の一方、緊急復旧工事、補修工事などの需要にも迅速に対応しております。当社で取り扱っているセメント系建材商品として代表的なものとして、次のような商品があります。その他様々なセメント系建材商品を取り扱っております。
超速硬セメント(ジェットセメント)
高速道路や鉄道などの、耐震補強工事や緊急補修工事では交通遮断を最小限に抑えるための工期短縮が課題となっています。そのために開発されたのが本商品です。超速硬セメント使用のコンクリート(ジェットコンクリート)は通常28日間で発現するコンクリート強度をわずか3時間で実現させることができます。
無収縮モルタル
建築工事等構造物の大事な部分である柱・梁・床同士を接合させるのに用います。無収縮なので歪むこともなく、大事な部分を接着します。
補修剤
コンクリートの軽微なひび割れを修復し、防水性も復活させます。美観回復効果もあります。
セメント豆知識
セメントの社会的な役割
日本のセメント産業の本格的な始動は1875(明治8)年。当時の工部省・技術官だった宇都宮三郎がセメントの国産化に成功しました。以来、ビルやダム、トンネル、橋など、様々な社会基盤の整備に不可欠な産業として、日本の繁栄に大きな役割を果たしてきました。
古代エジプトでも使われていた!
セメント利用の歴史は古く、紀元前2600年頃の古代エジプトまでさかのぼるといわれています。そこで使われていたのが、セメントの原型ともいわれる石膏。加熱処理をして水を加えると固まる性質に気づき、石材をつなぎあわせる目的で使われていたそうです。一説によると、約9000年前の新石器時代の住居跡から現代のコンクリートに匹敵するものが出現したともいわれています。
原材料100%国内調達
セメントの主な原料となる石灰石は、100%国内調達。このような工業製品は日本では非常に稀なケースです。特に北九州地区や山口県に石灰石資源が豊富ですが、北海道から沖縄県まで、全国各地に高品位の石灰石鉱山が点在しています。
循環型社会の構築に貢献
セメント産業は、製鉄所からの副産物である高炉スラグや、石炭火力発電所の石炭灰など、他の産業から発生する廃棄物・副産物を、原料・エネルギー、製品の一部として受け入れて有効利用。天然資源の節約を実現する循環型社会の構築にも多大な役割を果たしています。
セメント生産量の推移
欧州セメント協会の統計によると、1968年に5億トンだった世界のセメント生産量は、1986年に10億トン、1997年に15億トン、2003年に20億トン、と順調に増加しています。社会基盤の整備に不可欠なセメントは、近年ではBRICsをはじめとする経済発展の著しい国を中心に、生産量が増加。今後も幅広く使用されていくことが予想されています。